現地従業員の賃金体系
企業が決定する基本給、職務給、職能給、昼食手当、交通手当、賞与に加え、法律で規定された一人っ子手当などがあります。時間外労働の手当も、平日残業手当は平均給与の150%、休日出勤手当は同200%、祝日出勤手当同300%と法律で規定されております。また、中国特有の手当てとして、物価手当、風呂理髪手当、高温手当、服装手当などがあり、各種手当は従業員本人に支給すると個人所得税の対象となります。
労働条件
中国での労働時間は1日8時間、1週間40時間以内と規定されております。残業手当等については前述の通りで、1ヶ月の残業は36時間を超えてはならないと規定されています。従業員は、政府規定に基づいて有給休暇、帰省休暇、結婚休暇、忌引き、出産、育児休暇、病休を享受できます。
現地従業員の社会保険制度
中国には「養老保険」、「医療保険」、「失業保険」等の社会保険制度があり、それぞれ個人負担部分と企業負担部分に分かれています。但し、地域によって保険項目、負担比率は異なります。蘇州市の場合、養老保険の企業負担分は、給与総額の20%。個人負担分は同8%ですが、積率の基数となる給与には上限、下限が設定されています。
工会(労働組合)の設立
中国には、日本の労働組合に相当する組織として「工会」があります。日本の労働組合は労働者の利益を優先して、企業と対立するイメージがありますが、中国の場合、1949年に中華人民共和国が誕生した時から、中国に資本家は存在せず、人民はすべて労働者であるという考え方から、外国人を除く企業の従業員は全員工会に所属することが望まれます。日本のように非組合員は存在しませんので、経営陣も工会のメンバーです。1992年に施行された「工会法」(労働組合法)では、「企業・事業・国家機関で組合員が25名以上いる場合には、労働組合委員会を設立できる」とされています。企業は、毎月従業員給与総額の2%を工会に納付します。工会加入者は毎月本人給与の0.5%を工会経費として納めます。
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